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- 2024/07/24 掲載
図解:アクセンチュア流「Microsoft Copilotの使い方」、「4つの効果とその仕組み」を解説
連載:アクセンチュアが実践するMicrosoft Copilot活用術
堺 勝信(さかい・かつのぶ)
アクセンチュア ビジネス コンサルティング本部 データ&AIグループ
マネジング・ディレクター
北海道大学教育学部卒。企業の経営課題だけでなくその先の社会課題も解決してよりよい未来を創ることをパーパスとしながら、AIグループのAIアーキテクトチームリード 兼 ジェネレーティブAIの日本リード 兼 ビジネス コンサルティング本部でのディスアビリティ・インクルージョンリードを担当。著書に『生成AI時代の「超」仕事術大全』(東洋経済新報社刊)がある。
佐々木 三泰(ささき・みつやす)
アクセンチュア ビジネス コンサルティング本部 データ&AIグループ
アソシエイト・ディレクター
早稲田大学大学院理工学研究科電気工学修士課程修了。AI Hub プラットフォームを基軸としたAIを基幹システムに組み入れるためのシステム構想立案から実装までを受け持つ一方、AIソリューションの導入プロジェクトのプロジェクトマネジャーを担当。著書に『生成AI時代の「超」仕事術大全』(東洋経済新報社刊)がある。
西島 沙織(にしじま・さおり)
アクセンチュア ビジネス コンサルティング本部 データ&AIグループ
シニア・マネジャー
明星大学情報学部卒。通信・ハイテク、官公庁、製造等の業界に対して、基幹業務システムの構想段階から実装までを担当。ジョイントベンチャー設立における分析基盤構築などを通じ、データ・AI利活用支援業務に従事するほか、自社内での生成AI活用企画・推進を実施。
平岡 将史(ひらおか・まさし)
アクセンチュア ビジネス コンサルティング本部 データ&AIグループ
コンサルタント
大阪大学大学院工学研究科電気電子情報工学専攻修士課程修了。ディープラーニングを用いた動画検索や生成AIを用いたシステム運用保守改善など、幅広いAIソリューションのPoCプロジェクトを担当。
高野 拓海(たかの・たくみ)
アクセンチュア ビジネス コンサルティング本部 データ&AIグループ
アナリスト
慶應義塾大学開放環境科学専攻修士課程修了。通信業界におけるデータ分析モデルの開発及び運用業務に従事するほか、社内での生成AIを用いた業務効率化の支援を担当。
李 相雲(い・さんうん)
アクセンチュア ビジネス コンサルティング本部 データ&AIグループ
アナリスト
韓国、Dongyang University産業工学科卒。ドライブレコーダーで撮影された事故データを分析し、事故の査定に必要な情報を自動で抽出するシステムの運用保守を担当。
改めて知っておきたい生成AIのビジネスへのインパクト
2022年11月にOpenAIによりChatGPTが公開され、わずか2カ月でユーザー数が1億人を突破した。その広がりの速さも驚異的だったが、さらに驚くべきは能力の高さだ。旧シリーズのGPT-4においては、米司法試験で上位10%のスコアを獲得し、日本の医師国家試験に合格するほどの実力をもっている。特定の専門知識を保有しているだけではない。ジェネレーティブAI(生成AI)は、“コンピューターが現実世界の大量データから基本的なパターンを学習、模倣して新しいコンテンツの生成を可能にするもの”である。生成AIは、問題解決のパターンに沿って脳が思考する機能を模倣でき、解決できる問題は幅広い。
OpenAIの“GPTs are GPTs”という論文が2023年の3月に話題となった。ChatGPTで用いている事前学習済みのトランスフォーマーという生成AIモデル(GPT:Generative Pre-trained Transformer)が汎用技術(GPT:General Purpose Technology)だというのだ。人類の長い歴史の中で、“汎用技術”と呼ばれるのは図の通り30個もない。

人類は産業革命で蒸気機関という汎用技術により動力を得たが、GPTをはじめとする大規模言語モデル(Large Language ModelあるいはLLM)という汎用技術により、人類はもう1つの脳を得たといっても過言ではないだろう。
日本人の「総労働時間の44%が影響を受ける」未来
アクセンチュアが実施した「2022年日本のデータに基づく日本における労働時間への影響」調査によれば、総労働時間の44%がLLM(Large Language Model:大規模言語モデル)の影響を大きく受ける可能性がある。そのうち、25%が大きく自動化(automation)され、19%が大きく強化(augmentation)される。職能別に見ると、たとえば事務職(運営)への影響については、43%が大幅に自動化され、20%が大幅に高度化されると見込まれている。その他、IT部門や、財務・人事といったバックオフィスサービスについて軒並み50%を超える影響が見込まれていることから、ホワイトカラーのデスクワークに変革が起こる、と言えるだろう。
そしてOpenAIと長期的に強固なパートナーシップを築いている米マイクロソフトは、複数年にわたり数十億ドル規模を投資し、OpenAIのモデルを自社製品に組み込めるようになっている。
OpenAIの独占的クラウドベンダーとしてAzure OpenAIサービスも提供しており、このAPIは広く利用されている。このような背景から、Microsoft 365というビジネス用のアプリケーション群に、Copilotという形でOpenAIの生成AIが組み込まれたのである。
2022年11月のChatGPTの出現から約1年後の2023年11月1日、Copilotが満を持して一般提供開始となった。ホワイトカラーのデスクワーク変革を推進、実現する基盤として大きな期待が寄せられている。Copilotでどのようなことができるのか、詳細を見ていこう。
【次ページ】Microsoft Copilot for Microsoft 365「4つの効果」とは?
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